半歩踏み込むアニメ批評!

なぜ、そのアニメは「面白い」のか!?

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

『ガン×ソード』の感想・批評・レビュー

視聴アニメ一覧

『ガン×ソード』
http://p.tl/XPSO
監督:谷口悟朗
脚本:倉田英之


gunsword.jpg
http://www.tv-tokyo.co.jp/anime/gunsword/


本作は、見方がなかなか難しい。

わたしはアニメの見方に二通りあると思う。
もったいつける程の事でもなく、誰もがとっている見方だ。

・作品世界に入り込む見方。
・そのアニメを突き放して、他と比べる見方。


最初に難しいと言ったのは、
一つ目の作品世界に入り込む見方が取りづらかったからだ。
たいてい、これに苦しむようなものはあまりなく、
苦しむ場合はよっぽどの駄作なんじゃないかと思っているが、
ある意味、ガンソードは違う。

入り込みづらかった理由はシンプルで、キャラクターの描き方が分かりにくいのだ。
ヴァンとウェンディ、そしてレイをはじめ、
メインキャラクターは、多くがもともと変人的な描かれ方をしている上に、
まともそうなウェンディやカルメンでさえ、過去に深い傷を受けたことが示唆され、
なかなか心情が追いづらい。

技術的な話に過ぎないが、
キャラクターを絞って、もう少し丁寧に描いてもいい。


さて、わたしがこの作品に目を付けたのは「ヴァン」の存在である。
もしこの作品に勝手にアニメ史的な意味を見出すとすれば、
(といっても、わたしのアニメ視聴数などたかが知れており、正確さははなはだ心もとないが)
主人公が、決して正義を語らず、それどころか人の話になかなか耳も傾けず、
復讐に駆られて、正義について目を向けることを避け続けた点だろう。

たいてい、復讐やら「強くなりたい」とかの欲望のみのパターンでも、
悪ぶってるだけで義賊だったり、何かしら特別なルールには従っていることが多い。
ルパン三世とか、ワンピースとか。
あるいは逆に、ぶっとびすぎてて、視聴者に共感を求めていないパターン。
たとえば、笑うセールスマンとか。


『ガン×ソード』は違う。
かなり、ヒーロー側が「ヒーロー」でない。
敵の配置がはっきりしている作品なので、
それとの関係でみると、面白い。

敵方はもうお決まりのパターンの全体主義者である。
自分の思想が正しいと信じるがゆえに、
正義の名のもとにそれを押しつけようとする。


①敵方のボス「かぎ爪の男」は、正義を掲げている。悪をなそうというつもりは毛筋ほどもない。
 ゆえに、彼を狂人ということはできても、狂ってしまったことは病気であり、責められはしない。
 そうなると、何を狂人のラインとするか、が先行問題となる。
②かぎ爪の男は、「争いのない世界はつくれないのか」という問題に真摯に取り組んでいる。
 ヴァンは、婚約者を殺された私怨で「殺人」をなそうとしている。
③かぎ爪の男は、何年にも及ぶ過酷な努力の末、解決方法を見出し、具体的な手法に落とし込み、
 実現できるところまで持ってきた。
 ヴァンは、何かを創り出そうという思想もなく、「殺人」のために徘徊するのみ。
④見たところ数千人の規模で、かぎ爪の男は支持を受けており、
 民主的な正しさという意味では、ヴァンよりもはるかに正しい。


敵方は、ヒトラーまんまなので、
新味にかけるが、ヴァンはどうだ。「ダークヒーロー」ですらない。
完全にわがままの感情を押し通すのだ。
たしかに、ヴァンの周り(ウェンディやカルメン)は、
個人主義者側の人間として対全体主義の立場をとっており、そのため中和されて見えてもいたが。

敵(かぎ爪の男):たどりついた結論に難はあっても、その動機は現代日本で健全と捉えられる。
主人公(ヴァン):たまたま現代日本にとって支持しやすい結果をもたらしたが、動機は支持され難い。

視聴者に、主人公への共感を求めつつも、主人公は徹底して正義を無視する(問題になるのに!)。
これって結構、新しいのではないでしょうか。
探せばあるのでしょうか。


というようなわけで、また主観的な感想に戻りますが、
もともと「作品世界に引き込まれて盲目的に主人公側について行く」ということもできずに、
一歩引いてみることになり、
その上、上記のように「ヴァンって、すごいことになってるな……」という感じなので、
なおさら引きました。

わたしにとっては、「痛快娯楽復讐劇」とはいかなかった。

ですが、谷口監督の『プラネテス』や『コードギアス』は大好きです。



スポンサーサイト
  1. 2011/05/28(土) 08:10:50|
  2. アニメについて
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の感想・批評・レビュー | ホーム | レディオヘッド/radiohead賛歌>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://aufnirwana.blog27.fc2.com/tb.php/9-373c2406
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。