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なぜ、そのアニメは「面白い」のか!?

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『ココロコネクト』第七話の感想・批評・レビュー・考察

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『ココロコネクト』第七話の感想・批評・レビュー・考察
Wiki http://p.tl/fPgT
原作:庵田定夏
監督:大沼心
キャラクターデザイン:赤井俊文
シリーズ構成:志茂文彦
音楽:三澤康広
放送期間:2012年7月 -

第七話「バラバラと崩れる」


今回のお話:
・いなばん、切れ者過ぎ
・心の操作、第二弾だと思ったら第一弾だった


■いなばん、切れ者過ぎ
西尾維新風に言えば、パラメータを振り切ってる。
いなばんの思考の瞬発力が異常に高い。

周りの太一や伊織と同じできごとに遭遇しても、
太一らがぼんやりと感じている段階で、
いなばんは、言葉として他の現象から選り分け、整理し、未来を予測するところまで至っている。


「桐山唯のいいところを5つ挙げろ!」
スクリーンショット 2012-08-21 0.32.36


「よし、伊織、太一に抱きつけ。
……今の……欲望を上回る欲望を生み出してやれば、方向性が変わるか、現象が終わるかもしれない。」
スクリーンショット 2012-08-21 0.36.25


「さっさと扉を開ける魔法の言葉でも言おうかと。」
スクリーンショット 2012-08-21 0.41.56



ここまでの差がつくと、ちょっと周りが可哀想だ。
精神年齢に、つまり知能指数に大きく溝がある。

まあ、そうは言っても、このタイプは学校の勉強が飛び抜けてできるわけではない。
この手の思考力は、実はどれだけ現象のパターンを知っているかに依存している。

天才タイプに見えてそうではなく、経験による老獪さに近い。
たぶん、筒井康隆なんかがこのタイプなんではないだろうか。
筒井は、ぶっ飛んだ天才に憧れて、真面目にぶっ飛び方を研究したような印象がある。
tsutsui.jpeg


要は、どれだけの数のパターンを使いこなせているかだ。

人の心情ですら、(痛みのような非常に原初的な、いくつかの感覚以外は、)
ものごころつくころに「学び取った」ものであるから、
人の心情がよく描かれている小説なんかを乱読した子どもは、
「ああ、この人はジュリエットみたいに悩んでるんだな」というようにパターンに当てはめて、
心を読むことができるようになるのだ。

この学び方は、もっともくだらなそうに見える学習方法である算数ドリルと同じである。

だから、そうやって他人の心情に敏感になった子どもは、
算数ドリルも同じようにこなさなければ、算数が得意にはならない。

そういった子どもは、それでも往々にして、
ぶっちぎりのトップではないものの、かなりいい成績は取る。

常識的に考えて、小説”だけ”をむちゃくちゃ読むにしても、
内容が多岐にわたる上、たまに算数が絡む本を読んだりすれば、
全く本を読まない他の子どもよりはたくさんのパターンに触れるからである。

別に本である必要はなくて、映画でも、人と話すでもよいのだが、
とにかくポイントは、たまたまでも何でもいいが(意図的になら天才かもしれない)
自分で理解できるレベルの明快で簡素な言葉で、
これまで触れたことのない現象を受け止め、パターンとして溜め込めるかどうか、である。


そうやって賢くなったいなばんは気付いている。
第一話から、ふうせんかづらが残したキーワード「面白さ」に。


「問題は、ふうせんかづらにとって面白いかどうかだ。」
スクリーンショット 2012-08-21 0.46.11



■心の操作、第二弾だと思ったら第一弾だった

欲望解放と人格入れ替えは、ココロコネクトという意味では同じである。

前回のいなばんの台詞で、
今度の欲望解放は、第三者を傷つける可能性があると指摘され、
人格入れ替えとの違いが強調された。

しかし、もしふうせんかづらのことを考えるのであれば、
人格入れ替えとどこが共通しているかを考えるべきではないだろうか。
そして、共通点を見出す鍵になるのが「面白さ」であろう。


そういったわけで、共通点を考えると、
罠なんじゃないかっていうぐらい、輝いているのが、
個人の心を共有してしまう、という点である。
それを詳しく見ていこう。


・人格入れ替え
「人格入れ替え」が起こると、入れ替わった瞬間、
それまでの過去すべての行為、すべての考え連綿とつながってつくり上げていた、
今の自分(象徴的には身体)を、他人が受け継ぐことになる。

第一話へのコメントで書いたが、
身体なんて、心の基礎といってよく、身体と切り離された心などはとてもありえそうもない。

加えて、身体を受け継いだ他人が、受け継いだことをバレないようにしよう、
当の本人だと周囲に思わせよう、と思えば、
過去すべての行為、すべての考えに考えを巡らせなければ始まらない。

こうして、その人の過去を、心を、他人が探り始める。
これにより、無理矢理心同士がつなげられる。


・欲望解放
一方、欲望解放はどうか。
欲望を解放すると表現しているが、
実のところ、これがよくわからない。

欲望って何?という話だ。

欲望とは人間の感覚や考え、思いなど、
何らかの心の働きである、ということには異論がないだろう。

では、どんな心の働きなのか?
心の働きの見方は以下の4つで全てを尽くせる。
a. どんな対象に向けられたものなのか
b. 対象に何をもたらしたいのか
c. どれほどの強さなのか
d. それが引き起こされた条件は何か

ただ難しいのは、本人がどこまで意識しているかである。
無意識にこういう欲望を抱いていた、との予測は、たしかめようがない。

とりあえず、
本作で起こった「欲望解放」を思い出し、
本人がここまでは意識していたのではないか、というところまでを摘出したい。

・いなばん:(太一と?)性的に充たされたい。
 a. 自分or太一 b. 性的な快楽or太一を性的に支配 c. 弱 d. アダルトサイト(自己申告)
・唯:訳の分からない状況を解明したい。
 a. 太一といなばん b. 説明させたい c. 中 d. 衣服脱ぎかけで抱き合う二人の様子
・唯:気に入らない奴を痛めつけたい。
 a. 複数の男子高校生 b. 肉体のダメージ c. 強 d. JKが絡まれる
・青木:唯を守りたい。
 a. 唯 b. ダメージの予防 c. 強 d. 警察の唯の取り調べ
・太一:睡眠したい。
 a. 自分 b. 睡眠 c. 中 d. 起き掛けに眠たい自分
・伊織:はりつめた空気をぶち壊したい。
 a. クラスの空気 b. ぶち壊す c. 弱 d. テスト中の張りつめた空気
・太一:困っている人を助けたい。
 a. 困っている人(唯) b. 悩みのない状態 c. 中 d. 唯の不登校
・唯:甘いものが食べたい
 a. スイーツ b. 自分が食べる c. 弱 d. 何となく
・いなばん:気に食わない考えを弾劾したい。
 a. 甘い人間(唯) b. 至らなさの認識 c. 強 d. 自分勝手な泣き言
・太一:仲間を助けるべきだと理解させたい。
 a. いなばん b. 諦めない姿勢 c. 中 d. 唯から身を引こうとする態度


こうして見てみると、
a.については、対象が自分でも他人でも個人でも複数でもあるが、人間である。
b.については、共通点を見出せない。
c.についても、強度を問わないようだ。
d.も一貫性がない。


また、どうやら欲望は、一度にいくつか同時に発生しているようであることもわかる。
たとえば、
いなばんが太一に襲いかかっているところを見た唯は、机をたたき壊すが、
これは、二人に説明を求めるとともに、
許せない状況(太一が気になるが故)にいらだち、八つ当たりしたくなっていて、
欲望の同時多発性が示されている。


ここから、『ココロコネクト』で言うところの欲望とは、
「せめぎ合いモデル」とでも言うべき、
「心の働き全てを欲望と捉える」考え方を採用していると解される。

ただぶっきらぼうに、心の働きすべて欲望と捉えるというと、
一般的な「欲望」の理解とは異なるかもしれない。
しかしよく考えてみると、「あそこに雲が見える」という認識でさえ、
雲に注意を向けるのは、天候の変化による不利益を回避したいという欲求の現れだ、と理解しうる。

となると、ふうせんかづらが施した「欲望解放」という処置は何をやっているのだろうか。
それは、任意のタイミングでの心の働きのうち、
ふうせんかづら側が選んだいくつかの欲望(「これしたら捕まるし留まろう」など)を排除し、
せめぎ合いで抑制されていた欲望が噴出するようにしているものと思われる。


こうなると、「欲望解放」をされると、
心の働きの一部だけストップさせられていることになる。

したがって、
いなばんは、決して真っ昼間につきあっている訳でもない太一に襲いかかるような人物ではないのだが、
そのような欲望が存在していたことが暴露される。

つまり。
ふうせんかづらがやっていることは、
様々な欲望が同時多発的に存在する心の働きにおいて、
勝手に、いくつかの欲望をストップさせ、
本来それほど目立つことのなかった欲望を暴走させる、ということである。

ここで言えることは、
いなばんにも、性欲があった、ということだけなのだが、
それこそ人に隠しておきたいことなのだ。

それをバラしてしまうとどうなるか。
個人の心の一部、とくに隠しておきたい一部を共有すると、どうなるか。
これがふうせんかづらが「面白く」感じていることだろう。

このことを念頭において、「欲望解放」の起こった順番を見返してほしい。
厳密な順番は、まったく重要ではない。

おおまかに言って、
だんだんと、隠しておきたい心の働きが暴露されるようになってきていることが分かる。

それこそ、始めはいなばんの性欲で、それは恥ずかしいだろうが、
ほぼ100%の女性が感じている肉体的な衝動とすれば、致し方ない欲望である。

それが、唯の甘さを丁寧になじるシーンではどうだろう。
それこそ、思ってても滅多なことでは口にしてはいけないことだろう。

「お前は自分が楽して、ヒト様にどれだけ負担をかけてるのか、わかってるのか!?」
スクリーンショット 2012-08-23 19.24.35


通常、というか根源的にと言うべきか、
わたしたちは、「心」という完全に私秘的な領域を持っている。
(あるいは、そういった領域を発見し、「心」と名付けた。)
だが、自分だけの「心」があるのなら、他人にもあるのではないかと気付いて当然だ。
他人の「心」が気になり出す。
はたして、「心」の垣根がなくなったらどうだろうか。
「心」の垣根があることの意味は何なのだろうか。

ここで「人格入れ替え」とつながる。


この辺りが物語の収束点になりそうである。







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  1. 2012/08/23(木) 19:19:49|
  2. ココロコネクト
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