半歩踏み込むアニメ批評!

なぜ、そのアニメは「面白い」のか!?

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『機動戦士ガンダム』の感想・批評・レビュー・考察

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『機動戦士ガンダム』の感想・批評・レビュー・考察
http://p.tl/-qYy
原作:矢立肇、富野喜幸
総監督:富野喜幸
脚本:星山博之、松崎健一、荒木芳久、山本優、富野喜幸、他
キャラクターデザイン:安彦良和
メカニックデザイン:大河原邦男
放送期間:1979年4月7日 - 1980年1月26日


初代は、いつも途中で観賞を挫折した。
なぜか、タイミングが合わず、見通すことができなかった。
何としてでも続きを見ようと思わなかったレベル、ということなのだろう。

言葉にするのも寂しいが、
いつまでも、何十年も前の作品が面白いわけではないのだ。

しかし、本作は言わずと知れた、日本で最も有名なアニメ作品である。
よくは調べていないが、この点に異論がある人もいないだろう。
まだまだ若い業界ではあれど、これはもはや古典といってよい。
小説における「こころ」や「舞姫」、音楽における「第九」や「イエスタデイ」だ。
未だに、後続作品の制作が途切れず、初代の作品が視聴されている。


そこでここでは、ガンダムシリーズがここまでわが国に根付いた理由を探る。
残念ながら劇場版でお茶を濁すことになるが、
本作に限っては、初回放映時には人気がなかったという経緯もあり、
新たなカットも加えられ、作品として質の向上が図られた劇場版で許して頂きたい。


■ファーストガンダムがヒットした歴史的背景
1979年から80年にかけてテレビ放映。
劇場版の公開が、第一作81年3月、第二作81年7月、第三作82年3月。
テレビの初回放映時には視聴率が振るわず、全52話の予定を43話に縮めることとなった。
しかし、打ち切りが決まってから人気が顕在化し、そこから快進撃が始まる。

なぜか。環境的には、以下3点を指摘しておきたい。

・SFブームの到来
放送の2年前1977年には映画『スターウォーズ』の第一作、『未知との遭遇』がヒット。
小松左京、筒井康隆、星新一と読書離れが進んだ今日においても知名度の高いSF作家が現れていた。
時代とともに科学的な側面に深みが求められ、「未来」というフロンティアに皆が酔いしれた。

※さらにこのSFブーム到来に影響を与えたのが、日本の産業の変革ではないだろうか。
 73年、79年のオイルショックにより、資源輸入国の日本は大打撃を被ったが、
 日本は世界に先駆けて経済的混乱から回復した。
 その一因が、流行語にもなった「軽薄短小」、
 つまり重厚長大型産業からエレクトロニクスなど高付加価値産業への転換である。
 (流行語になったのは83年だが、軽薄短小の代表格ウォークマンは79年に発売)
 このように、先端科学技術の発展により世界をリードする日本の姿を、
 人々が誇りに思い、さらなる輝かしい未来に思いを馳せたであろうことは想像に難くない。
 そして、その反動として未来はそんなに明るくないと悲観ぶる皮肉屋も現れる。
 いずれにせよ、SF的な未来は人々の熱狂的な議論の的たりえたのである。

大人がSFに熱中するのを見て、こどもがその真似をしなかっただろうか。
そして、こどもにとって敷居の高い小説(内容的に)や映画(金銭的・風紀的に)ではなく、
「テレビまんが」でSFが登場すれば、こどもが夢中になるのは火を見るより明らかである。

・アニメ視聴年齢層の広がり
74年に初回放送された『宇宙戦艦ヤマト』は、75年の再放送でヒットした。
主に中高生が人気を担い、ヤマトによってアニメの対象年齢が広がったとされる。
ヤマトの75年に12歳だった少年の兄や姉が面白がっているとすれば、
4年後の79年に16歳になっている青年も、アニメへの抵抗感はそれまでより薄れている。
アニメはこども向けの「テレビまんが」、というだけではないと行動で示した先人がいたのである。
そこに彗星の如く現れたのがガンダムだ。
当然、求めるリアリティ、深みは向上しているが、ガンダムはそれに応えた。
思春期に『人間失格』に触れれば、「大庭葉蔵は俺だ」と思う。
後述するように孤立するアムロは、大庭のポジションを勝ち得たのではなかろうか。

・放送時間からの解放
ヤマトのヒットには出版界も追随し、
サブカルチャー雑誌『月刊OUT』は、ヤマト特集が受けたためアニメ雑誌に転換。
今日、三大アニメ誌と称される『アニメージュ』もヤマトの影響によって創刊された。
これによってテレビでの放送から離れても、作品の情報に触れられ、
しかも、別の角度から作品へのアプローチがかけられるというアニメ作品の多面化が実現したのである。
こうなることで、作品を放送時間から解き放つことができ、
ファンは好きなときにアニメの世界に浸ることができ、考察もできる。
友人に紹介することも容易く、他者の意見から深みをもった見方もできる、というようにアニメ業界に革命が起きた。


以上、環境的な側面を瞥見し、当時の視聴者の嗜好がわずかなりとも想像できる準備をしてきた。
次に、内容面において、ヒットの原因を確認する



■内容
事実の想定:シリーズに国民的な人気がある。
その原因の2分類:
1. シリーズを通じて、いくつかの同一の要素が、面白い。
2. シリーズのほとんどが、同一の要素ではないが、一定以上面白い要素を含んでいる。


1については、シリーズをいくつか見てみないと何とも言えない。
「SEED」と「SEED DESTINY」しか、見ていない上、
初代ですら、劇場版三部作の一作目しか見ていない私には今のところ、如何ともしがたい。

ただ、個別に面白い要素を分析しなければ、総合もできない。
そこで、1になるのか、2になるのかはまだ分からないが、
初代の面白さを抽出することにする。


a. 思春期の孤独
本作において、衝撃的だったのは何と言ってもアムロ・レイである。
ジオンの侵攻で、住み慣れたサイド7は崩壊し、父親が行方不明。
ところが、父親の安否すら気にして入られない。
赤い彗星の異名を取るジオンのエース、シャアが襲ってくるのである。
敵がシャアなのに、こちらはブライトはじめ、にわかばっかり。
サイド7を守るためのガンダム搭乗があだになり、
多数の民間人が乗る軍艦ホワイトベースをほぼ一人で守らなければならない。
そのくせ、ブライト以下、友人のフラウすら、「お前はやって当然」のような態度。
保護してくれる先も定かでない中、地球におりて母親に再開するも、
「そんな子に育てた覚えはない」と分かり合えない。

アムロは、シャアへの対抗意識で、再びガンダムに乗り、
ヨーロッパに向かって劇場版第一作が終わる。

戦いの恐怖を体験できない私たちでは、アムロももうちょっと我慢しろよ、と思うが、
冷静に考えれば、ホワイトベース側は嫌がる中学生に対し、
「お前が殺人してこなかったら、おれらが死ぬからな」、
と自分達を人質にとって殺人を強要しているのである。
完全に、特攻隊の相似形だ。

ホワイトベースの内側だけではない。外側の母親からも突き放される。
たしかに、アムロの思慮が足りなかったかもしれない。
ジオンの前線基地が近くにあって、見回りに来ることがわかったなら対策も講じておくべきだが、
それは母親もお互い様だろう。
にもかかわらず、悩みの果てに、迫る敵兵を銃撃したことを槍玉に挙げられ、責め立てられる。

そもそも「宇宙の暮らしって馴染めなくって」とか抜かして、
こどもを父親任せにして地球に残った母親なのだから、さもありなん。

アムロは、守っている味方にも心を許せず、孤立する。
一つに、これは思春期の発見を表している。
すなわち「まわりの人間は他者であり、わかりあえないこと」という意味での根本的な孤立なのである。
ハイティーンにとって、これは重大な問題である。
『エヴァンゲリオン』もこの要素は持っている。

この点は、上記の環境における「アニメ視聴年齢層の広がり」に対応する部分である。



もう一つに、社会的側面もある。
『デビルマン』(放送72年から73年)には、人間を守るために悪魔になった主人公が、
守ってきた人間によって、悪魔の一味だからと恋人を八つ裂きにされるシーンがあった。
民衆の価値観の統一をはかる指導者の恐ろしさとそれに踊らされる民衆の愚劣さを描く部分である。
デビルマンでは肉体の破壊という残虐さを以て、これを表現したが、
ガンダムは、アムロの戦うか戦わないかの対立でこれを描いた。
みんなが自衛のために戦おうとするが、戦いがどんなものか身を以て学んだアムロは、
悩むことの正しさを感じている(うまく表現できないまま、シャアとの戦いに没入し、結局うやむやになる)。
対全体主義という設定は、思想を理解し始めた年代にとって重要である。
というのも、「よき社会とは何か、正義とは何か」を考え始めるに当たり、
ナチスは、最も近い過去で起きた思想的事件だからである。

これは、「b. 設定の細かさ」と通ずる部分として、
続くエントリにて、述べていきたい。

「b. 設定の細かさ」と「c. プロットの巧みさ」について、
第二作、第三作を視聴した上で、取り上げるつもりである。






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  1. 2012/07/15(日) 19:48:29|
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