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なぜ、そのアニメは「面白い」のか!?

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『新世界より』第六話「逃避行」の感想・批評・レビュー・考察

視聴アニメ一覧

『新世界より』第六話「逃避行」の感想・批評・レビュー・考察
※ネタバレはありません。内容はアニメで発信された情報の範囲内です。

原作:貴志祐介
監督:石浜真史
シリーズ構成:十川誠志
キャラクターデザイン:久保田誓
音楽:小森茂生
アニメーション制作:A-1 Pictures
放送期間:2012年10月 -


第六話「逃避行」


『新世界より』に関する前回までのエントリにおいて、
どこが面白いのか、いくつか述べて来た。
中でも、その語り口にポイントがあると思っている。

要は、簡単に言えることも、それじゃ面白くないから、
「XXなのかと思ったら、実は○○だった……」のような演出を施しているということである。

ガンダムでも、エヴァでも、その他多くのアニメでは、
本筋のストーリーに対して、そういう演出が施されるのであるが、
『新世界より』は、
本筋のストーリーに加えて、作品中の歴史もそのように演出されている。
oukyu


以前、物語を語る主体/観点が重層的になっていることについて見て来たが、
さらに突っ込んでみれば、
演出が重層的になっていることが面白さをつくっていることがわかる。
すなわち、ツチグモという外来種のバケネズミの謎を追いつつ、
そういう動物(?)を子どもから神経質に遠ざける社会の謎、
そしてそういった現代と様子が大いに異なる社会が成り立つ歴史の謎、
さらに覚と早季のセックス未遂でほのめかされた、現代のわたしたちと異なるらしい価値観の謎、
といったように、
シンプルにものごとを明らかにせず、どこかうさん臭い匂いをさせておくのである。
なんでもかんでもが怪しく感じられる。
スクリーンショット 2012-10-20 17.54.47


視聴者をダマす技を使い過ぎて、
副作用として、視聴者から不審がられる……、
そういう効果を利用したテクニックである。

推理小説でよくあるのは、
「こういう風に表現したら、こう思い込むだろうな」という心理の錯誤を活用するテクニックである。
だが、『新世界より』では、
そういうテクニックを使い続けることによって生じる、
「どうせまたトリックにひっかけようとしてんじゃないの!?」という疑念を利用している。

たとえば、明らかに麗子は間引かれてるが、最初期はネコダマシに原因が帰せられ、怪談風の香りがした。
nekodamashi2
(学のとき)

しかし、すぐにそんな描写ではなくなった。
社会システムが正しく機能して「間引かれてる」描写に変わったのである。
では、その説明がすぐにあるかというと、
社会自体の不気味な成立の歴史が小出しにされ、現在どんな仕組みになっているのかなかなか見せない。
わたしたち視聴者は、何を信じていいのか分からない。

PKの出現した世界を説明するだけなら、こんな回りくどい見せ方は不要だが、
その世界自体を面白く演出して見せているのが、
この視聴者を振り回す見せ方である。


さて、そんな振り回しがやられてるんじゃないかと思われるのが、
今回も大活躍のバケネズミである。
謎めいたところばかりで、いっこうに正体が見えない。
シオヤーブの連中も。覚達を利用しているように見せている上、
そもそも離塵が厄介ごととして見ていた外来種のツチグモは何なのか。
えっ


そして、もう一つ大きく振り回されるのが、早季である。
早季は、地面から現れる瞬と、瞬の中から現れるミノシロモドキを見ているが、
これはいったい何なのか。
瞬の妄想


それによって、清浄寺の儀式を想起し、
離塵が施した呪力の凍結をなぞりつつ、凍結の解除をやってのけた、
その機転のききよう、および能力の高さは何なのか。
偽りのヘブンリー


『新世界より』は、かつてなく謎だらけのアニメであり、そしてそれが面白い。



//以下、アマゾン
  
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」


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  1. 2012/11/07(水) 21:59:25|
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